20世紀の偉大な指揮者たちシリーズから (エドゥアルト・ファン・ベイヌム)

http://ecx.images-amazon.com/images/I/31I2h-go7jL._SL500_AA240_.jpg
モノラルながらコンセルトヘボウサウンドの魅力がギッシリ詰まってて幸せな2時間。格調高い弦と色鮮やかな木管金管、そしてズドンズドンというメンゲルベルクティンパニはモノでも十二分に魅力が伝わってきた。音がクリアで厚みも感じられ下手なステレオより断然聴きやすいのはありがたい。
ベイヌムの指揮はテンポが早くザッハリッヒながら推進力に満ちてて実に爽快。無味乾燥にならないのはヘボウの芳醇なサウンドに寄るところも大きいんだろう。どれも駄演がなく渾身の演奏。企画担当者の曲目のチョイスもセンスがあって良い。
端正な曲運びの中にほのかにロマン香るシューベルトブラームスは絶品。迫力のあるウィンザー序曲、濃厚でメンゲルベルクの影が感じ取れるドン・ファン、輝かしいシェラザードはヘボウの上手さに下を巻いた。ベイヌム時代が黄金期ってのは確かになぁと納得。独創ヴァイオリンとチェロも情感豊かで素晴らしい。コケイン序曲はロンドン・フィルの演奏で録音にやや歪みが目立つがヘボウに引けを取らない勢い溢れる素晴らしい演奏。
つくづく57歳という指揮者にとってはこれからって時に死んでしまったのが惜しまれるなぁ。