バーンスタインの新世界

期待通りの超スローテンポな第2楽章にニンマリ。まるで大河の如く悠久の時を刻むラルゴは殆どアダージョと化しさながらマーラーブルックナーの様だが遅くする事で各フレーズの意味付けが明確になり作曲家が言わんとすることが浮き彫りになるこの解釈は見事に填ってた。そしてこの意志的な寂しさの表現はロマンチック極まりなく堪らない心地良さ。その一方スケルツォは若々しい超快速テンポで飛ばす飛ばす。まさに自分が感じた本能のありのままを直情に音楽として表現し尽くしたバーンスタインはやはり凄い。

録音はライブという事もあり良くなく典型的な風呂場だが不思議とあまり聞き苦しくなく不快にならない不思議な録音。良く言えばホールトーンをたっぷり含んだ自然な録音ということか。

因みにバーンスタインCBSに録った旧録もあるけどこちらは自分を泥沼なクラの世界に引き摺り込ませた思い出深くも罪深いCDだったりする(笑